不朽の名作「いやいやえん」・・・しげる、すごいな!
次女と次男が、感染性胃腸炎になり、しばらくヒッキーになっていました。
つまらないので、「いやいやえん」を読み聞かせしました。
約30年ぶりに読み返す私。
確か小学2年生の時に、読書感想文を書いた記憶があります。
ああ・・・もっとも苦手だった「読書感想文」・・・。
本の感想なんて、"空也上人像の口から仏像"みたいに、パラパラパラ・・・と次から次へとわんさか出てこないっつーの!!
2行書いて、鉛筆がぴったり止まってしまったつらい思い出しかありません。
そもそも「感想」なんて、秘めたるものもあるわけで(「しげるって、私をいじめる○○ちゃんみたい・・・うう・・涙・・・」とか)、誰かに見せる前提で強要するなんて、なんか間違ってるよ!!
・・・脱線しました。
しげる、なんか発達障害っぽくない?
子育て視点からの「いやいやえん」。いろいろ発見ばっかり。
その1
なんか、結論がハッピーとかないし、オチなしの日常で終わる。
そう、子どもの世界なんて、すべてが日常。日常で終わるのが正解なんだ!!
その2
なんか、いろいろ意味不明。
くじらを獲りに海に出たのに、海に還すとか。
園にはきまりがすごくあるのに、山へのピクニックは、先生同伴なし。子どもだけで外出させる。くじらとりも、先生同伴なし。
そう、子どもの世界なんて、意味不明なんだ!!
その3
主人公・しげる、ちょっと多動ぎみ。衝動的。
お母さん、先生、めっちゃ手を焼いてる。
基本、おおらかだけど、めっちゃ困ってる。
お母さん、わかるよ・・・しげるは、そういう子・・・「しつけ」ではどうにもならないんだよね・・・。登園させた後の、お母さんの涙を想像してしまう。しげる姉とは、明らかに「なにか」が違うんだよね・・・。
今なら、『しげるママは、私。』というタイトルで、原稿用紙2枚、一気に書ける。
2枚では熱い思いを書ききれない・・・10枚はいける。
小学2年の私にタイムスリップしたい気持ちだ。
昭和っておおらかすぎ!?
しげるが1日だけ通う「いやいやえん」は、基本、ルールなしで、放置。
大人は、保育士(?)であるおばあちゃんが、のんびり編み物をしているだけ。当時の「おばあちゃん」だから、年齢は50後半くらいかもしれない。園を開設して、保育士までしているのだから、とても闊達なおばあちゃまだ。
ところが、おばあちゃん、どんな信念があるのか、ほんとうにルールなしの放置。
喧嘩は、血がでるまで放置。(骨折しなければいいらしい)
おもちゃの雑な扱いも、放置。(あまり雑でにおもちゃが逃げ出した)
今だど、保護者から、連日、クレーム電話がかかり続けるレベル。
昭和、おおらかすぎ。
今だと出版できない内容かもしれない。
違いを自分で体験して、気づく
それに、本には、園の方針に疑問を投げかけたりとか、教訓的なものはない。
しげるも、そんな「1日いやいやえん体験」に「次は行きたくない」と言うだけ。
ただ、ところどころ、「ちゅーりっぷ保育園」と違うところに気づいてゆく。
ルールがなかったら、どうなるのか(園内カオス)
ケンカを大人に止められなかったら、どうなるのか(全身、流血)
ワガママ発言をしたら、どうなるのか、(「おべんとう、いや」で、お昼抜き)
・・・。
しげるは、幼いながらも「違い」を体験することで、どちらが自分に合うか・好きかに気づいてゆく・・・。
結果として、「ちゅーりっぷ保育園」を選んだしげる。
ただし、ちゅーりっぷ保育園を選んだからには、「きまり」を守らなければならない。ここ、体験で少しは理解したはず。
だから、次の日から・・・もしかしたら・・・衝動的行動が収まっているかも・・・しれない。なかなか難しいだろうけど。
ここで、私、しげるに「いやいやえん」 を選んでほしかったりもした。
自由すぎる園は、彼に合ってると思うし、カオスな園児・M君とは厚い友情が芽生えそうな気がする。それに、いやいやえんでしげるがどう成長するのかも、見てみたい。
違いを体験する機会を与えることって、大事じゃない?
子どもって自分で考えて選択するよね?
っていう、価値観をもう一度、見せられた気もするのでした。
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ってか、「いやいやえん」園長インタビューを見たいな。
『"放置"が、子どもを成長させる』
みたいなタイトルがいい。
『お母さん、力を抜いて』
みたいなテーマも見たい。展開によっては、号泣ものだな。
あの園長なら、予定調和でない、目からウロコな子育ての金言とか、しゃべりそう!
不朽の名作だけど、「トイレ」と言わず、「ごふじょう」としてあるのが、時代を感じました・・・。
「ごふじょう」「ごふじょう」「ごふじょう」・・・。
なんか、とても品のある言葉やん・・・!